ばらかもんコミックス6巻のレビュー/感想
ばらかもん六巻では、
島を離れた東京編を描いています。
性格から何も言わずに島から出て行って、
永久に島からいなくなったように扱われる清舟ですが、
そこが清舟らしい味が出ています。
なるは放心状態で、
やはりなるは清舟のことが大好きなんだと感じました。
そして肝心の清舟は館長に謝罪をするシーンは
清舟なりの形をきちんと掴めていました。
よく考えれば酷評をした館長だって腰を痛めたおじいちゃんであって、
そうした弱さをふいに叩き付けられると、確かに人ははっとなるものです。
そこで成長したかと思えばまた館長に水をぶっかける清舟は、
実際にこういう人がいたら迷惑だなあと思いますが、
それでも愛されるキャラクターになっています。
折角渾身の作品を書いたのにそれを賞に応募できなくなり、
新たに字を書くことになります。
そこで今回初めて清舟の父と母が登場しますが、
清舟が散々文句を言っていたわりには普通に清舟のことを考えていて、
いいお母さんとお父さんでした。
不器用なだけで素敵な家族です。
ただ全体的に清舟そっくりで扱いにくい(笑)。
愛されすぎて逆にだめになった子なのに
本人はそれに気づいていないという状況でした。
タマと美和の習字の話が清舟母に島での暮らしぶりや清舟の成長を見せる機会になったり、
石垣を組み立てる話が字になったり、五巻でちょこちょこ出てきた伏線を今巻で回収しました。
館長とも和解し、親ともいい感じになり、賞でも吹っ切れた様子を見せ、
今までの問題が一気に解決されました。
七巻からは清舟も作者も迷い道にはまりそうな予感もしますが、
ヨシノサツキさんなら、なんとかしてくれると思います。
今後の方向性に期待しています。