ばらかもんコミックス5巻のレビュー/感想
五巻は、清舟が渾身の書を書き上げるための巻でした。
そのために十分に休んで遊んでいたのですが、
そんなに遊んでいて大丈夫かと思うほど遊んでいました。
清舟が羨ましいと思うほど、
楽しそうな雰囲気がにじみ出ている話が多く、
思わずにやっとしてしまいました。
最初の話はひなの髪型が崩れたことで、
清舟がひなの髪に片思いし、
なるのひなにばかりかまう清舟への片思いし、
精一杯のアプローチをかけたのになるに伝わらないケン太の片思いというスパイラルの中、
最後はなるとひなの相思相愛という綺麗にまとまった話でした。個人的には好きです。
その後、清舟は風呂が壊れたことによって、
流れるような不幸の波へと突入していきますが、
ふいに訪れる満天の星空から、書のインスピレーションを得ます。
規則に縛られた清舟は、根っこで自由な空が好きなんでしょうね。
だけど青空で書の神はやってくるものではない、
とほんのちょっとだけ捻くれたところが清舟らしいです。
「ターザンのつた」で遊んでいたのは、随分と王道を行った中でも、
「ターザンのつた」はきちんとこの世に存在するという作者の強い意志が感じられたように、
勝手に思ってしまいました(笑)。
さりげなく出てきた隣村の存在や、名前があやふやなケン太の取り巻きなど、
子供たちを増やしながらも、重要キャラにしないところが、
子供らしい元気でたくましく個性は行動だ、というような雰囲気を醸し出していました。
最後は東京編へと移行するための、
清舟が殴った館長と画商の川藤のシーンが入り、
意味ありげなシーンで幕を閉じたのは良かったです。
面白くなりそう、という引きがきちんとできていました。