ばらかもんコミックス2巻のレビュー/感想
二巻になった「ばらかもん」では、
一巻で成長した清舟が、
村に馴染んでいく様子が描かれています。
巻としての構成をよく考えられたつくりで、
まず最初に防犯ベルを間違って鳴らしてしまった
ひなちゃんに対して集まってくる島民が
「何事かち思ったぞ。見慣れない男がおるけん」と
清舟に言う台詞で、清舟がまだ島に
受け入れられていないことをさりげなくアピールします。
不審者と間違われるレベルであると思わせておいて、
巻の最後には、過労と不眠で倒れた清舟がなるたちに心配されたり、
海で崖から飛び降りたなるを清舟が泣くほど心配したりして、
巻として島へと溶け込むというスタンスを作り上げています。
中間は小話をちりばめて、
読みやすいのんびりとした雰囲気で、島民との交流を描いています。
その中でも眼鏡っ娘の中学生、タマは
清舟によって自分の中のBL好きを意識するようになるなど、
一巻に一度はキャラクターを掘り下げてキャラクターの色を出すのも忘れないようにしています。
男と子供ばかりキャラクターが立っているので、
バランスを取る意味でもタマをセレクトしたのは良かったかもしれません。
基本的には女性層に受けるように作られた漫画ですが、
男女比はそこまで違いはありませんし、中性的に受けるようになっていると思います。
最後には書道家仲間が島にやってきて、波乱万丈な物語になると予想させています。
今回はあまり物語が進まなかったので、
「三巻では進みますので安心してください!」ということだと思うのですが、よく考えられています。